山本弘トンデモ資料展
2010年度版7−A


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山本弘のSF秘密基地BLOG
2010年07月06日 15:39

自民党のコスプレパーティ






 あまり政治問題に首を突っこみたくないんだけど、やっぱり選挙前にこれだけは言っておこうと思った。

 少し前にマイミクさんの日記経由で知ったのだが、参院選に自民から出馬する三橋貴明氏が、6月5日にこんなイベントをやったのだそうだ。場所は自民党本部ホール。

自民党のコスプレイベントがスゴ過ぎる件
http://d.hatena.ne.jp/tsumiyama/20100614/p1

 その映像がこちら。

http://www.youtube.com/watch?v=OCEsBGSHxDc
(問題のシーンは4:30から)

 おいおいおいおい(^^;)。
 何で『エヴァンゲリオン』のコスプレで「ゆずれない願い」なんだよ!? 素直に「残酷な天使のテーゼ」か「魂のルフラン」あたりにしろよ!
 繰り返しますが、ここ、自民党本部ですから。

 たぶん、こういうことをやったら若者層の人気が取れると勘違いしちゃったんだろうなあ。でも、本物のオタクはこういう「表層だけオタクを装う奴」を嫌悪するものなんだけどね。

 その後もこんなコスプレで登場。

http://www.youtube.com/watch?v=UEmkzEzGra8

 ……あのー、トモダチはまずいんじゃないですか?
 ゲンドウもそうだけど、政治家を志す人間が、わざわざ陰謀を企んでいるキャラクターを選ぶって、どういう神経なのか。
 続いて登場したのは「ムシケラ」という名前のラッパー。

http://www.youtube.com/watch?v=yoOax82kcpE

 コメントにもあるけど、これは寒い! 会場もぜんぜん盛り上がってなくて、みんな義務感でしかたなく手を振っているだけなのがありありと分かっちゃう。(特に0:30〜1:00あたり)
 あ、この映像見ると分かるけど、コスプレしているのは三橋氏だけではありません。支持者たちもです。

 次に登場したゲストは、何とドクター中松!

http://www.youtube.com/watch?v=nxLuRGXlCnM

 おいおいおい、あんた幸福実現党から出馬するんだろうが!?

中松「インターネットの大元は僕ですよ」

 キターっ!

中松「フロッピーディスクに、1947年、私の特許が。それがIBMで採用されて、それでコンピュータが変わったんだ。今のネット社会になったのも、大元を作ったのは私」

 まだそんなのこと言ってんのかい、このおっさんは!
 しかも、会場からは「おおー」という歓声と拍手。ええーっ、みんなこんなホラ話を信じちゃってるの?

 その後の食事会の模様。

http://www.youtube.com/watch?v=FieHW0pYhjQ


 すぎやまこういち氏はともかく、その後に登場したのが……増田悦佐!(4:52から)
 あのトンデモ本、『日本型ヒーローが世界を救う!』の著者だ!

http://www.amazon.co.jp/dp/4796651209

『ドラゴンボール』のコスプレで登場した増田氏。何を言うかと思ったら――

松田「『ドラゴンボール』というのは日本人の英雄観にとってですね、非常に高い思想性を持ったマンガ・アニメだと思うんですよね」

『ドラゴンボール』に高い思想性ですか!?

増田「日本人の英雄観が、欧米の一番頭が良くて一番強い人間がたった一人で生き残ればいいんだという、そういう英雄譚とまったく違うところが二つあります。
 ひとつ目はですね、英雄は別に何人いてもいいじゃないか、それぞれに弱点も欠点もある人間たちが、みんないっしょになると、もっと力が強くなる。これがまず第一点です。
 第二点は、強大な敵こそ、いったん味方につければ信頼すべき味方になる。(中略)スーパーマン一人が英雄、あるいはバットマン一人が英雄という、欧米のマンガ・アニメ観には絶対持ち得ない、素晴らしい高い思想性だと思います」

 だからあんた、『X-メン』も『ジャスティス・リーグ』も『アベンジャーズ』も『ファンタスティック・フォー』も知らないだろ!?
 X-メンの宿敵のマグニートーは、改心してX-メンのリーダーになったこともあったし、ローグも最初は悪役だったんだよ! チームを組んで集団で戦うヒーローも、悪役が味方になることも、「欧米のマンガ・アニメ観には絶対持ち得ない」どころか、アメコミの世界じゃよくあることなんだよ!
 今度こそ確信した。こいつは本当にバカだ。マイナーなアメコミならともかく、3度も映画化された『X-メン』も知らずに「欧米のマンガ・アニメは」などと論じる奴が、バカ以外の何者だろうか。

 さらに、「かめはめ波」の解説がトンデモ。

増田「カメハメハ大王の、ハワイという統一の難しい地域を何かまとめ上げたその英雄的な意志を、たぶん『ドラゴンボール』は見せたかったからこそ、気合を叫ぶ時に「かめはめ波」と言ったんだと思います」

 いや、鳥山先生はそんなこと考えてなかったと思います(笑)。

 ちなみに、このパーティの直後に、三橋氏の後援会幹事長が辞任している。辞任の理由の第一は健康上の問題だが、第二は、

http://mitsuhashi-takaaki.jp/bbpress/topic.php?id=367
>2 ジャパンエキスポの責任
>  ジャパンエキスポは、本来日本文化の祭典でありますのに、単なるコスプレ・カラオケ大会にしてしまい、自民党および支持者に「ただ遊んでいるだけ」という印象を与えてしまいました。
>本件に関し、自民党、そのほかの関係者から苦情が多く、また、四條閣下などゲストの皆様からも、苦言を呈されておりまして、反省するところが多数あります。
>この惨状に対し、本部スタッフ全員から現時点で反省の弁が受け取れておりませんし、
>また、改善策も提示されない状況でありまして、今後も同じ過ちを繰り返す可能性が高いと判断致します。
>この状況において総責任者として、宇田川が責任を負う必要があると判断致しました。

「この惨状」と言い切りましたか(笑)。しかもこの幹事長以外のスタッフは反省していないらしい。

 いちおう言っておくけど、僕はべつに反自民ではない。立候補者がパーティでコスプレしたって、かまわないと思う――その人が有能であれば、の話だが。
 ドクター中松と増田悦佐を応援に呼んだという時点で、僕は三橋貴明という人物は政治家として信用できないと断じる。ちょっとでもネットで検索してみれば、ドクター中松の「フロッピーディスクの発明者」とか「発明件数三千件以上」とか「ニューズウィーク誌が世界十二傑に選んだ」という肩書きが怪しいことや、増田悦佐の本がデタラメだらけのトンデモ本であることは、すぐ分かったはずだ。
 つまり三橋氏は、その程度のことすら見抜けない無能、ということである。そんな人間に政治を任せるわけにはいかない。

 もっとも、民主党の議員にも911陰謀論やジュセリーノの予言を信じてる人とかいましたからね(笑)。こういう人は政党に関係なく、どこにでもいるのだろう。
この記事へのコメント
『日本型ヒーローが世界を救う!』の著者は松田悦佐ではなく、増田悦佐ではないですか?
Posted by tekoran at 2010年07月06日 17:07
 この件は、自分も色々とツッコミたいとこでしたが、政治に関する事なので、ちょっと控えようかなーと思ってました。

 ですが、これだけは言いたい。
「日本型ヒーローが世界を救う」の松田氏に対しての、山本さんの↓このくだり。

>今度こそ確信した。こいつは本当にバカだ。マイナーなアメコミならともかく、3度も映画化された『X-メン』も知らずに「欧米のマンガ・アニメは」などと論じる奴が、バカ以外の何者だろうか。

 よくぞ申してくれました!
 きっと松田氏の頭の中には、「日本サイコー」「アメコミは単純バカな勧善懲悪のしかない」って考えがあって、どんなに根拠を示して反論したところで、それを覆さないんでしょうね。
 こういうバカがいるからこそ、海外作品が日本で正当に評価されないんだと、声を大にして言いたいです。つか、日本のためにもならんですし。
 はー、インフィニティ・ガントレットが欲しいと、ちょっと思ってしまいました。

 なんか松田氏って、「ヒーローマン」に登場するドクター・ミナミみたいな奴じゃないかと、ふと思ってしまった。

 しかし、このコスプレパーティー。
 なんか、ろくに理解してない老人たちが、「自分たちはナウなヤングにバカウケの、若者に理解のある人間だ」って思い込んでいるように見えて、とても寒々しくて空しいものを感じてしまいました。
Posted by 塩田多弾砲 at 2010年07月06日 21:47
自民党って非実在青年を通そうとしている石原慎太郎都知事の顔役ですよ?

そんな政党に今更アニメについて薄いに決まってるじゃないんですか?

まぁオタク気取って浮動票集めたいだけでしょ?

名古屋でも万博反対してた末広まきこが議員になるとコロッと変わって万博推進してましたっけ。

結局政治家なんてその場の都合で口先だけで票率伸ばしたいだけです。

セルジオ・レオーネ監督の『夕陽のギャングたち』観ればすぐに分かります。
Posted by ダーク・ディグラー at 2010年07月07日 01:37
>tekoranさん

 ご指摘ありがとうございます。誤記を訂正させていただきました。
Posted by 山本弘山本弘 at 2010年07月07日 12:28
この三橋氏、数日前には”ジーク自民!!”とかやってたそうな。
二重の意味で勝つ気がないように見えます(笑)。

あとこの人オタクなんですかねえ。
私はロートルオタクですがオタクとしてこんなイベントは絶対開きたくないんですが。
Posted by あのつ at 2010年07月07日 12:33
>あまり政治問題に首を突っこみたくないんだけど、やっぱり選挙前にこれだけは言っておこうと思った。
では、非公開コメントでも構いません。
政党・地区別反ヲタ候補者リスト
http://kill-the-assholes.x0.com/
投票を呼びかけるものでは決してありません。…が、今回は全国比例区で公約にも表現の自由を守ることを掲げ、実際に国会に居られた際に行動をもって示しててくれている保坂のぶと候補者がおられるというだけのことです。オタクという票田が全国レベルで初めて実数として可視化されます。選挙に関して嗅覚ある政治家連中は見ていることと思いますよ
Posted by 非実在青少年(規制反対)読本一読者 at 2010年07月07日 16:50
コスプレ馬鹿は「自民党」の自爆路線で選挙区で無ければ放置すればよい、選挙区ならば無能な人物に入れなければ済むこと、それはよりも自民「表現の自由弾圧派」で民主「表現の自由擁護派」と言う認識は危険、個別に判断すべきでしょう、民主党でも「第3次男女共同参画基本計画(中間整理)案」という爆弾が用意されていますのでコレも認識しておくべきでしょう。
http://www5.cao.go.jp/seisakukaigi/shiryou/0023-100406/pdf/item03.pdf
P38:4 子どもに対する性暴力の根絶に向けた対策の推進
[この辺りから読んで下さい、4の(2)のB辺りもお願いします]
そしてP51の第12分野も何か思わせぶりですね。
谷垣自民総裁が「表現の自由規制派」と言うのも眉唾で実際はどっちつかずの日和見主義者としか言えないでしょう、良く使われる2007年の記事から赤線の誘導部分を除いたもので読むとはっきりします。
http://www.kajisoku-f-2.com/dd/img2-02/img462_m01.jpg
選挙で誰を入れるかとか何所の党に入れるとかは各人の自由なのですが「馬鹿」に投票する事はありません。
ところで「MM9」の番宣素晴らしいです!
http://mmmmmmmmm.jp/data/spot30pc.html
実に平成ガメラっぽいですなあ、、
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100703-00000000-mantan-ent
Posted by ざんぶろんぞ at 2010年07月07日 22:44
私も政治にあまり関わりたくない気持ちはわかりますが、それをしないでいた結果が都条例であり、児童ポルノなんでしょうな、それを思うと大槻教授がオカルトに対しては真面目に反論しないと駄目だ!!といったことを思い出します、規制派の攻撃にたいして業界(3大出版社とか力があるのが)が沈黙を守っていたことが結局、このことのつながったのだと思います。なんども同じことを繰り返すとそれを本当だと思うのと同じことが言えるかも知れません。
Posted by 闇のカリスマ at 2010年07月08日 22:03
>ダーク・ディグラー氏

だからといって民主党で生活がよくなると言えますかなあ?


要はここが問題。なぜ日本の政治家には人材がないのか。どこも投票したくない、ってある意味異常ですよこれ。

『神は沈黙せず』でアホっぷりを露呈して国民からnoを突きつけられた政治家共を「さすがにこれはねーよw」と言えなくなってきました。orz
Posted by Xbeta at 2010年07月09日 21:51
自民党は躍進しましたが三橋氏は落選しましたね。まあ、あんなイベントでは若者の支持は得られませんわな。
Posted by ドードー at 2010年07月12日 09:20
アナキンスカイウォーカーは日本アニメの影響だ、と言いかねない方々です。(そうであってほしいけど。)
衆院選直前のトモダチ放映と昨日の白戸次郎氏当選のCM、ここまでやっていいのか、という思いでした。

由美かおる「愛の冒険者」聴けます。
Posted by 理力不足 at 2010年07月12日 22:59

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