山本弘トンデモ資料展
2011年度版6−A


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山本弘のSF秘密基地BLOG
2011年04月20日 10:34

『花咲くいろは』がすごい件






 今期のアニメ、まだ全部は見ていないんだけど、クオリティの点で群を抜いているのは、『TIGER&BUNNY』と『花咲くいろは』である。

『TIGER&BUNNY』の1話はものすごく面白かった。作画も素晴らしいんだけど、スーパーヒーローが8人も出てきて、それぞれの見せ場があって、個性の違いが表現されて、さらにこの世界の設定やら主人公の抱える事情やらまで、30分できちんと説明してしまったのには、まったく恐れ入った。最近、第1話を見ただけでは設定の分からない作品がちょくちょくあるからなあ。これはストレスたまらなくていい。
 ただ、2話と3話で話のテンションが落ちて、ちょっとがっかり。いくらでも燃える話にできそうな設定なんで、これから盛り返してくれることに期待したい。

 それに対し、『花咲くいろは』は1話からまったくテンションが落ちない!
 月曜の夜、リアルタイムで第3話を見てたんだけど、面白いったらありゃしない。まさかのサービス・シーン(笑)では、深夜にもかかわらず、声を上げて笑っちゃったよ。最近、アニメの必然性のない入浴シーンには飽きがきてたんだけど、これはバカすぎて最高。しかもそれが単なるバカで終わらず、ちゃんと伏線になってるのが偉い。
(まあ、常識的に考えると、犯罪者を警察に突き出さずに店で雇っちゃうというのは、かなり無茶な話ではあるんだが)
 考えてみれば、次郎丸の書いた小説の一場面という設定にしたら、エロ同人誌、いくらでも創れるんじゃないか? これはもう、今、日本中で同人作家が夏に向けて燃えてると見たね!

 あ、ちなみに、小説の原稿料は書いてもすぐに振り込まれるわけではありませんよ。普通は掲載された翌月あたり。それはエロ小説でも同じはず。
 あと、最近は原稿用紙に手書きする作家はあまりいないんだけど、まったくいないわけではないので、そのへんはフィクションの嘘として許容範囲かな。

 設定自体は『小公女』みたいな古典的パターンなんだけど、緒花の言動や考え方がとにかく面白い。第一話の冒頭の会話から、ガツンとやられた。

>緒花「ママ、私、ママの子じゃないの。ママの親友が病弱なジャズシンガーで、港にやって来た米兵さんとの間で産んだ子なの」
>母「あー、あたし女友達いないしー。それに子供から告白する台詞じゃないわねえ、それ」
>緒花「残念」

 小説家として言わせてもらうと、これ、すごく計算された上手い会話なんである。たったこれだけで、緒花が現実から抜け出すことを夢見ている少女であること、母親がダメ人間であること、緒花はそんな母親を嫌ってはいるけど憎んではない(憎んでたらそもそもこんな会話はしない)ことなどを、番組開始から40秒で視聴者に分からせてしまうのだ。

 周囲の人間もみんな個性的。今回も、何でもお見通しの女将さんや、菜子の思いがけない一面やらが良かったけど、民子のノート(先週、書いてたのはこれだったのか!)でとどめを刺された。
 古いドラマだと、民子みたいに主人公を嫌うキャラは嫌な奴のはずなんだけど、この番組では、逆に民子の嫌い方が面白すぎて、魅力的に見えちゃうんだよなあ。緒花の「ここまで一生懸命嫌われると、なぜか清々しいものが」という台詞には同意。
 岡田麿里、こんなに上手い脚本書ける人だったんだな。

「アニメでやる必然性がない」と言っている連中がいるけど、そんなことないよ。全編、アニメとしての面白さがあふれ返ってるよ。日常のちょっとした動きがいちいちいいんだよ。
 OPで緒花がたすきを掛けながら階段を駆け下りてくるカットなんて、あまりに素晴らしくて、何度リピートしたことか。民子といっしょに走るカットや、風呂場にブラシかけている時に足がスリップするところなんかも、本当に上手い。
 第1話では、民子が女将に呼ばれて部屋に入ってきて座るまでのカットで、横にずれる緒花の動きや民子の脚の動きが、さりげないけど上手かった。
 第2話では、緒花が味噌汁作るシーンで惚れ惚れした。
 第3話でいちばん感心したのは、岩に打ち寄せる波。こんなリアルな波、これまでアニメで見たことない。CGだと思うんだけど、手描きのように見えるところがすごい。
 そういえば、OPのあの階段はCGなのかしらん? 『TIGER&BUNNY』もそうだけど、最近のアニメは手描きとCGの境目が分からなくなってるな。

 他にもいろんな番組があるんだけど、個人的には『Dororonえん魔くん メ〜ラめら』が意外な拾い物。詰めこみまくった膨大な量のレトロネタと、いかにも永井豪チックなお下劣ギャグが、僕らの世代には懐かしくていい感じ。『TIGER&BUNNY』の1話のコンテも切ってたけど、やっぱり米たにヨシトモって上手い人なんだと再確認。

 そうそう、これも忘れちゃだめだ。

『魔法少女まどか☆マギカ』
MBS:4/21(木) 26:40〜
 ※第11話・第12話連続放送
TBS:4/21(木) 27:00〜
CBC:4/24(日) 26:45〜
 ※第10話・第11話・第12話連続放送

 僕は録画もするけど、リアルタイムで最後を見届けるつもり。
この記事へのコメント
私も「花咲くいろは」が現在進行形で好きになっていたのでこの記事には激しく同意そして共感するばかりです。
残念ながら、親が煩くてリアルタイムで見届けることができないのですが(録画)、ハイテンション且つ人間くさい作品だと思っています。「デッドマンワンダーランド」とか、エグイ作品もある中これは清々しいのが(・∀・)イイ!!感じです。(←古い…)

とか言いつつ、個人的には「ユルアニ?」にも嵌っています。蛙男商会他のチープな感じが…
Posted by toorisugari at 2011年04月20日 11:38
『花咲くいろは』気になって、YouTubeで検索してPVがいくつか出てきたので見てみました。

感想は、なんかやたらと光の表現が美しいですね。
光の当て方や背景をぼかしたりとかしてリアルに描いている。
CGなんだろうけど、一昔前のアニメにはなかった表現だろう。
Posted by ゴールド at 2011年04月20日 12:44
「俺たちに翼はない」は最悪、脚本がひどすぎる。
「這いよれ!ニャル子さん」アニメはあれだけど、原作が相変わらずでよし。
そういえば山本先生の「僕は友達が少ない」評は聞かないねえ・・。
あっちはアニメじゃないけど^^;
Posted by 能天気ぺー at 2011年04月20日 20:29
はじめまして。
花咲くいろはですが・・・
失礼ながら何でそれが面白いのかさっぱりわかりませんでした。
むしろ私的には私自身の過去のつらい思い出がよみがえってきたこともあり、とても面白がる要素はありませんでした。
わたしのほうがおかしいのでしょうか?
Posted by 逆張り王子 at 2011年04月20日 23:36
「タイガー&バニー」は二話まで見ましたが、良かったですねえ。
 あの世界観は日本のスーパーヒーローにはちょっとなかった感が。落ち目のベテランと使いにくい新人のコンビものとして、楽しみにしていきたく。
 あと、ブルーローズの中の人がムギなので、そちらも楽しみ〜♪

 えん魔くんも視聴予定ですが、「花咲くいろは」も良さそうですね。秋葉原の家電量販店店頭でPV流れてたのですが、ちとここ最近ごたごたで見られず。
 キャラも作画も中々よさげなので、こちらも期待したく。
Posted by 塩田多弾砲 at 2011年04月21日 07:41
夏のアニメですが、以前と学会年鑑キミドリでネタに上がってた巨乳くのいち漫画「魔乳秘剣帖」 がテレビアニメ化だそうです。

公式サイトのURLが「おっぱいだいすき」というのがひどいw
http://oppaidaisuki.jp/
Posted by 夢浦忍 at 2011年04月21日 16:55
この記事を読んで、『花咲くいろは』、ニコニコの公式チャンネルで1〜2話を観てみました。

>「アニメでやる必然性がない」と言っている連中がいるけど、そんなことないよ。全編、アニメとしての面白さがあふれ返ってるよ。日常のちょっとした動きがいちいちいいんだよ。

これ、まったく同意です!
アニメって、現実にはできない動きを見せるのが魅力だと思われがちですが、日常のちょっとした動作をアニメで再現されるとすごく気持ちいいんですよね〜。
「たすきがけ階段降り」、ほんとに素晴らしい!
最近アニメはあまり観てなかったんですけど、これは追っかけようと思いました。
先生の記事のおかげです。ありがとうございました。
件の第3話は、これから観るんですけどね……楽しみです。
Posted by もと at 2011年04月22日 02:34
 ダーク・ディグラーさんと暴虎豹我さんのコメントを削除させていただきました。
 2人とも長すぎます!
 何で他人のブログのコメント欄でこんなにも長々と持論をぶつのですか? 空気が読めないにもほどがあります。どちらも読んでて途中で嫌になりましたよ。そんなに言いたいことがたくさんあるなら、自分のブログで書けばいいでしょう?
 塩田多弾砲さんも最近長いんで注意してください。

 今後も長すぎるコメントは削除させていただきますので、そのつもりで
Posted by 山本弘 at 2011年04月22日 15:07
>山本弘様

>塩田多弾砲さんも最近長いんで注意してください。

 了解しました。ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありません。
Posted by 塩田多弾砲 at 2011年04月22日 17:21
『花咲くいろは』は、『ture tears』のP.A.でしたので期待していましたが、期待に違わず一押しですね。
『タイガー&バニー』は録画を積んどく状態です。
あ、好みに合うかどうかで、原作通りに人を選ぶと思いますが、『電波女と青春男』も押しておきます。
Posted by Sasico at 2011年04月24日 00:34
どうやらわたしはアニメを見るのに向いていないらしい。

わたしがこの作品を全く評価できない理由がわかりましたので、私の方がおかしいかどうかの回答はいりません。
ご迷惑おかけしました。
Posted by 逆張り王子 at 2011年04月28日 21:12

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